
真空パッド
真空パッド吸着痕防止タイプ
液晶ガラス、塗装工程・半導体製造設備の搬送に最適。
オプション
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流路に銅を主成分とする金属材料を使用していません。
-
シールゴム材質にHNBRまたはFKMを使用しています。※)一部商品は流路のみの対応となります。
特長
液晶ガラス、塗装工程・半導体製造設備の搬送に最適。
フレキシブルを設けたホルダと樹脂材質でワークを吸着。

豊富なパッドサイズ、パッド材質、ホルダ形状のバリエーション。
パッドサイズ:3種。
パッド材質:3種。
ホルダ形状:12種。
真空破壊時のワーク離脱性も向上。
樹脂パッドは、スパナと六角レンチを用いて本体を外すこと無く簡単に交換可能。
スプリング式ホルダのストロークが選択可能に。
従来のロングストロークカバー付ホルダをVPC、VPDと統合。
ストローク:6、10、15、20mm
従来のロングストロークカバー無しホルダはVPOC、VPODとしてリニューアル。
ストローク:20、30、40、50mm
スプリング式ホルダに低発塵タイプが新登場。
従来のスプリング式ホルダに比べ低発塵。
騒音レベル:45dBで低騒音を実現。
パッド全サイズに接続可能。
ストローク:2、5、10、15、20mmを用意。
「流路に銅を主成分とする金属材料不使用」・「低濃度オゾン対策」向けの分野に対応するパッドホルダも用意。
-S3仕様:流路に銅を主成分とする金属材料不使用,シールゴム材質にはHNBRまたはFKMを採用。
仕様
パッド材質
材質 | PEEK、POM、導電性PEEK |
---|
ホルダ種類
固定式真空取出口 上 | VPMA(ミニ)/VPA(スタンダード) |
---|---|
固定式真空取出口 横 | VPMB(ミニ)/VPB(スタンダード) |
スプリング式真空取出口 上 | VPMC(ミニ)/VPC(スタンダード)/VPOC(カバー無し)/VPLFC(低発塵) |
スプリング式真空取出口 横 | VPMD(ミニ)/VPD(スタンダード)/VPOD(カバー無し) |
スプリング式直付型 | VPF |
適用サイズ
パッドサイズ(mm)
パッドサイズ | φ10, φ20, φ30 |
---|
真空取出口チューブサイズ
ワンタッチ継手(mm) | φ1.8, φ2, φ3, φ4, φ6 |
---|---|
バーブ継手(適用チューブ外径×内径) (mm) | φ3×φ2, φ4×φ2.5, φ6×φ4 |
※)パッドサイズにより選択できる真空取出口サイズが異なります。
真空取出口ネジサイズ
メートルメネジ | M5×0.8, M6×1 |
---|---|
オネジ | M14×1 |
理論吸着力グラフ

構造図

形状・価格一覧
形状・価格一覧は代表的な機種を掲載しています。
その他の機種につきましては真空パッド注文形式生成プログラムまたはデジタルカタログを参照ください。
パッドゴム単体、パッドネジ付セット
個別注意事項
注意
1.本製品はリップ部からのリークを許容しています。選定の際は以下にご注意の上、実機にて吸着試験を行ってください。 ①リップ部を樹脂化することによりゴム製真空パッドと比べ吸着痕を抑えておりますが、吸着痕を完全に防げるものではありません。吸着痕軽減の程度は環境やワークにより異なります。 ②真空源の流量は極力大きく確保してください。また、真空保持の使い方はできません。 ③使用条件に適したセンサを選定してください。 ④本製品のフレキシブルホルダ内部は構造上、使い方により摩耗する場合があります。クリーン環境下で使用する場合は摩耗による発塵の影響がないことを確認してください。
2.本製品にはフレキシブルホルダに1mmのストロークを設けてありますが、あくまでも微妙なワークの傾きに追従することを目的としています。バッファ機能が必要な場合は、スプリング式のホルダと併用してください。また、スプリング式ホルダをご使用の際は、摺動部にかかる横方向の力を最小限としてください。ホルダの摩耗により、作動不良、発塵の原因となる可能性があります。
3.フレキシブルホルダと樹脂パッド間は、回り止め構造とはなっておりません。回転搬送には適しませんのでご注意ください。
4.真空パッドの吸着面は使用前に必ず洗浄を行ってください。付着物が吸着痕として残る場合があります。なお、洗浄時は吸着面に傷が付かないよう注意し、有機溶剤は使用しないでください。
5.本製品には特殊ステンレスを使用しておりますが、これは防錆を目的としたものではありません。使用環境によっては錆が発生する場合があります。
6.フレキシブルホルダを実機、またはパッドホルダに取付ける際は、下表の締付トルクを参照し、適正な工具を使用して締付け、緩みがないことを確認してください。

7.フレキシブルホルダへの樹脂パッド取付ネジはクリープにより緩みが発生する場合があります。定期的な点検及び下表締付トルクにて増締めをしてください。増締めによる改善が見られなくなった場合は、真空パッド部の交換をしてください。

真空パッドシリーズのよくある質問
弊社真空パッドは、主にパッドホルダとパッドゴム、パッドネジなどの組合せで構成されております。ご購入いただいた同径のパッドゴムのみ交換する場合は、パッドゴム単品でご注文いただき、そのまま交換が可能ですが、異なる径のパッドに変更する場合は以下の点に注意が必要です。
1. パッドネジサイズもしくはパッドはめ込み部形状が同じであること。
2. パッド径に応じたパッドネジ、平ワッシャー、パッド押えなど付属品も一緒に購入・交換すること。
※) カタログ掲載の部品構成図をご確認ください。なお、ご不明な点は最寄の弊社営業所にお問合せください。
真空取出し口形状で『メネジ』のご用意があるパッドホルダは、継手の付替えが可能です。
今お使いのホルダと同じ形状で『メネジ』タイプがあるかどうか、カタログでご確認ください。
※)
VPMCは構造上の理由により、メネジのご用意はありません。
また、VPMA、VPA(パッド接続記号:H3、T8、M4)もメネジのご用意はありません。

シャフトのキー溝部(下図B)が変形し、変形部分がホルダ内径部と干渉したことで、摺動不良になった可能性があります。
真空パッドホルダを装置に取付ける際、シャフト部(下図A)にスパナを掛けたことにより起こる現象です。
お手数ですが、新しい真空パッドホルダに交換をお願いします。
真空パッドホルダを装置に取付ける際は、上下の隔壁ナットにスパナをかけて締付けてください。
(適正なトルク以上で締付けると隔壁部が変形し、摺動不良になる場合がありますのでご注意ください)
なお、シャフトの六角部分は、パッドの取付け外しの際に使用してください。


【動画】真空パッドホルダ取付時の注意事項
基本的に真空パッドのゴムは消耗品(交換部品)ですので摩耗による亀裂も考えられますが、真空パッド材質にNBR(ニトリルゴム)を使用している商品において、オゾンの影響によりゴムにクラック(亀裂)が発生し、不具合に至る場合があります。(オゾンクラック)
このオゾンクラックは、ゴムの応力方向(引っ張られるなど力のかかる方向)に対し、垂直に亀裂が入るのが特徴です。
画像のような亀裂の場合、オゾンクラックの可能性が高いと考えられます。
オゾンクラックイメージ図

NBRゴムのオゾンクラック例

低濃度オゾンの発生源は、紫外線や放電原理を用いる機器(洗浄機・静電気除去装置・空気清浄機など)、モーター、ドライエアコンプレッサなどが一般的ですが、オゾン濃度や発生頻度は一定ではないため、影響度は異なります。
HNBR、FKM(フッ素ゴム)、EPDM、AU(ウレタン)、VMQ(シリコーン)がオゾンに耐性のある材質となります。ご検討ください。
隔壁ナットだけでもご注文いただけます。下の表で形式をご確認ください。
表に無い商品につきましては、お手数ですが最寄りの営業所にご確認いただくか、お問い合わせフォームよりお問い合わせください。
隔壁ナット形式の①、②には、隔壁部ネジサイズ(各商品の外観寸法表:M)のネジ外径(①)とネジピッチ(②)が入ります。
※外観寸法表は、各商品概要ページまたはデジタルカタログに掲載しております。
(商品名のリンク先で、『隔壁ユニオン PM』などの形式をクリックすると、商品概要ページが表示されます。)
詳しくは、表下の例でご確認ください。
商品名 | 対象機種 | 隔壁ナット形式 |
---|---|---|
PM16、PMF16 |
PM16 : MN28P1.5 |
|
上記以外のPM、PMF |
MNF①P② |
|
PMP、PML |
MN①P② |
|
PM3M、PM4M、PM1/8M |
MN①P② |
|
PM6M、PM1/4M |
MNF①P② |
|
LM-FM5 |
MN10P1 |
|
SSPM NSMC、NSM、NSMF、NSMFF |
SMN①P② |
|
SPMF、SPM、SPML |
MN①P②-SP |
|
PPMP |
MNP①P② |
|
KM |
MN①P② |
|
NKMF |
MN①P② |
|
PSM |
PSM4M-4 : MN10P1 |
|
MKR |
MNF①P② |
|
CPSE3M-4、CPSE7M-6 |
CPSE3M-4 : CPS340M02NI |
|
BVM、BVLM |
MNF①P② |
|
BVM、BVLM |
MNF①P② |
例:PM6の場合
商品概要ページ

デジタルカタログ

隔壁部ネジサイズ(M)は、同じチューブサイズでも商品により異なりますので、
お探しの商品の外観寸法表でご確認ください。
各シリーズのカタログ前方(デジタルカタログの場合は後方)ページの『継手の共通注意事項』や『真空パッドの共通注意事項』に記載がありますので、ご参照ください。
上記の他、真空パッドホルダの隔壁部につきましては、外観寸法表の欄外にも記載があります。
吸着痕が真空パッドに起因している場合は、真空パッド材料に添加している配合剤のパッド表面へブリード・ブルームしたものがワークに転写している可能性があります。液晶ガラスや半導体製造装置向けに開発された「吸着痕防止タイプ」は樹脂パッドのため、加硫ゴムと比較して、ブリード・ブルームの発生がより少なく、吸着痕防止対策に優れた効果があります。
ただし、吸着痕が吸着パッド自体ではなく、環境(周辺及びワークの埃や汚れ)に起因している場合は、別途対策が必要になります。
真空パッドの材質により異なりますが、ウレタンゴムで60℃、ニトリルゴムで110℃、フッ素ゴムで230℃となります。(その他ゴム材質の高温使用温度限界温度につきましては、カタログをご参照ください)
ただし、上記高温使用限界温度は瞬時に於けるものであり、一定時間継続する場合には十分注意が必要です。
製品名(決まっていれば形式まで)と、薬品を使用する場合は正式な薬品名をご確認ください。
その上で、構成する部材についての耐薬品性を、以下の「耐薬品性資料」にてご確認ください。
以下の要因が考えられます。
1. 取付けの際に、隔壁部ナットの過度の締付けによりブッシュ部が変形したため。
2. 取付けの際に、シャフト部の外径六角部にスパナをかけて締付けたことにより、シャフトのキー溝部が変形したため。
※) パッド径に応じた推奨締付トルク及び注意事項は、カタログ「真空パッドの共通注意事項」をご参照ください。
スピリング力の変更にも特注品として対応しております。お手数ですが最寄の弊社営業所へお問合せください。
※) ご希望のスプリング力に対応できない場合もございますので予めご了承ください。
はい、付いています。
ホルダ形状がスタンダードタイプ(VPC・VPDなど)の場合、シャフト部に加工したキー溝に廻り止めネジが嵌り込むことでシャフトの回転を防止しております。
ホルダ形状が小型タイプ(VPMC、VPMD)の場合、シャフト自体が六角加工となっており、回転を防止しております。
複数の真空パッドそれぞれに落下防止弁を取付けることにより、仮に吸着していないパッドがあっても、他の真空パッドの吸着力(真空度)の低下を最小限に抑えることが可能です。
ただし、落下防止弁は完全に回路を遮断するものではなく、少量ですが大気を吸込みますので、吸着していないパッドの数により回路中に必要とする真空度を確保できない可能性があります。
また、一つのワークを複数の真空パッドで吸着する場合、仮に落下防止弁で回路の真空度低下を軽減できたとしても、ワークのバランスが崩れて他の真空パッドが外れてしまう可能性がありますので注意が必要です。
【動画】落下防止弁
エアピンセット(形式:VTA・VTB共)はペン型本体内部に真空発生器を内蔵しており、圧縮エアを供給することで真空(吸込み)を発生させます。
バルブ無し(形式:VTA)の場合、圧縮エアの供給により、真空(吸込み)は常に発生しております。ワークを吸着する場合は本体先端の人差し指のあたる部分に空いた穴を塞ぐことでパッド部の真空度が上がり、ワークを吸着します。ワークを離す場合は、穴から指を離すことで大気が流入し、パッド部の真空度が下がることでワークを離脱させます。
バルブ内蔵(形式:VTB)の場合、供給した圧縮エアは本体先端のボタン部分で止まっており、ボタンを押すことで圧縮エアが真空発生器に供給され、真空(吸込み)が発生するため、使用していない時のエアの消費を抑えることができ、省エネ仕様となっています。またボタンを離すことでワークを離脱させます。
【動画】エアピンセット のご紹介
01:17 VTA(バルブ無し)について
01:58 VTB(バルブ内蔵)について
エアピンセット先端の真空パッドは、「真空パッドスタンダードタイプ」を使用しております。交換にあたり、パッド単体でご注文の場合には、「スタンダードタイプパッドゴムのみ」のφ1~φ8mmの中からご希望の材質とサイズをお選びください。
形式:VP①R②
①パッドサイズ 1、2、4、6、8mm
②材質 N:ニトリル S:シリコーン E:導電性ブタジエンゴム(低抵抗タイプ)
※Rは「真空パッドスタンダードタイプ」を意味します。
例)φ2mm、ニトリルゴムの場合・・・ご注文形式:VP2RN
※) 本体外観色がEG:ブラック(帯電防止)の場合の真空パッドは、ゴム材質を「E:導電性低抵抗タイプ」を選択してください。
例)φ4mm、導電性低抵抗タイプの場合・・・ご注文形式:VP4RE
上記の他、パッド接続記号がH3、T8のパッドゴムがお使いいただけます。
また、パッドホルダ(先端金属部)の種類を新たに追加していただきますと、さらに多くのパッドゴムがお選びいただけます。
詳しくは、以下リンク先をご確認ください。
パッド付エアピンセット単体、パッケージ(セット)に付属しているパッドホルダ(先端金属部)は
下表の形式となります。
PISCO通販サイトS-net 内 【保守・交換パーツ】ページでも、ご確認いただけます。

上記以外の交換用パッドホルダもご用意しております。
適用パッドサイズ:最大φ50mm、パッド形状:11種類に対応可能です。
お持ちのエアピンセット本体はそのままで、交換可能です。
詳しくは、以下リンク先をご確認ください。
以下、装着するパッドゴムの「パッド内径」を参考にしてください。
パッドゴムサイズ | パッド内径※ |
---|---|
φ1mm |
φ0.5mm |
φ2mm |
φ0.6mm |
φ3mm |
φ0.8mm |
φ4mm |
φ1.2mm |
パッドゴムなし(パッドホルダのみ) |
φ1.6mm |
※) このパッド径まで吸着可能
エアピンセットのパッドホルダ自体の内径はφ1.6mmとなりますが、上記に挙げたパッドゴムφ1~4mmはそれよりパッド内径が小さいため、上図の通りφ1.6mm以下のワークの吸着が可能です。
なおパッドサイズφ6, 8mmのパッド内径は、ホルダのパッド内径より大きいためφ1.6mm以上に適しています。
あくまで寸法上の計算となり、吸着するワークにより異なる場合がございます。最終的には実機判断をお願いしています。

商品ページの取扱説明書をご覧いただくか、組立方法動画をご確認ください。

【動画】スターターキットの組立方法
銅を嫌う工程・使用環境に適した、銅を主成分とする材料を使わない仕様です。
『-S3』仕様は、金属部材質:銅を主成分とする材料不使用、シールゴム材質:HNBRまたはFKM となります。具体的には流路に金属材質:黄銅を使用せず、ステンレスを使用している商品を用意しています。
『-S3』仕様が形式に設定されていなくても、標準仕様が『-S3』に対応している商品もあります。例:チューブフィッティングSUS304 金属本体:SUS304、シールゴム材質:FKM
圧力の表し方は2種類あり、「絶対圧」と「ゲージ圧」によるものがあります。
絶対圧
絶対真空の圧力を0基準にした圧力が「絶対圧力」です。
空気圧の流量計算などに使用されます。
単位の最後に「abs」がつきます(例:10 kPa abs)
ゲージ圧
計測場所、計測時の大気圧を圧力0として測った圧力が「ゲージ圧力」です。
大気圧を基準に、1cm2の面積にどれだけの圧力がかかっているかを表します。一般的な圧力計に使われる圧力です。大気圧より高いゲージ圧を「正圧」、低い圧力を「負圧」と呼びます。

トルは、SI単位であるパスカル(Pa)(ヘクトパスカル(hPa))が使用される前に、汎用的に使われていた圧力や真空度を表す単位です。(絶対真空は0Torr、標準大気は760Torrとなります)
トルは「水銀柱ミリメートル (mmHg)」 と同じ単位の別名でもあり、非SI単位ですが、現在も多くの分野で使用されています。
1Torr = 133.32Pa、
1気圧 = 1013hPa = 1.01325x105 Pa = 760Torr
※) パスカルは、天気予報で使われるヘクトパスカルの1/100。
この商品に関するお問い合わせ
用途や機能などの諸条件に適した商品をご提案することも可能です。お気軽にお問い合わせください。
近くの営業所でも承っております。
PISCO製品に関するよくある質問をまとめました。お問い合わせの前にご覧ください。